難治性視神経症(なんちせい ししんけいしょう)とは? |
視神経とは網膜で感じた光を神経の刺激として脳へ伝達する一種のケーブルのような組織で、その中には神経細胞の軸(軸索)とそれを支持する細胞が主に含まれています。
この神経細胞は脳の神経細胞すなわち中枢神経と発生を同じにしているためその性質は脳の神経細胞によく似ています。したがってひとたびこの神経細胞が変性してしまえば、再生して治癒することはありません。たとえばこの視神経細胞に炎症や循環障害などが起きて細胞が傷害された場合、末梢神経ですと再生することも可能ですが視神経では再生は起こらずにそのまま変性、萎縮してしまいます。これを視神経萎縮といいます。 |
この病気の患者さんはどのくらいいるのですか? |
原因疾患が多数ありますので正確な頻度は不明です。 |
この病気はどのような人に多いのですか? |
原因疾患が多数ありますので正確な傾向を把握するのことはできません。 |
この病気の原因はわかっているのですか? |
視神経萎縮は種々の原因で視神経に傷害が起こりその後の変化として起こってしまう病気です。
その原因となるものとして視神経炎、循環傷害(虚血性視神経症)、外傷、薬物(メチルアルコール、エタンブトール、有機溶剤、有機燐農薬など)、先天性、遺伝性などがあります。 |
この病気は遺伝するのですか? |
視神経萎縮の原因のうち遺伝が関係しているものもあります。それは先天性視神経萎縮とレーバー遺伝性視神経症です。いずれも視神経萎縮の原因となりますが、視神経萎縮全体に占める割合はあまり高くありません。先天性視神経萎縮では常染色体優性遺伝を示し、レーバー遺伝性視神経症ではミトコンドリア遺伝子異常による母系遺伝を示します。その他の原因は遺伝とは関係ありません。 |
この病気ではどのような症状がおきますか? |
原因疾患によっておこりかたに差があります。視神経炎、循環障害(虚血性視神経症)、外傷では比較的急激に視力が低下したり、視野が狭くなったりします。薬物性のものはそれよりもややゆっくりと視力低下や色覚の異常をきたします。
レーバー遺伝性視神経症では外傷や薬物使用を契機としてそれまでは無症状だったものが急に視力低下として発症することがあります。先天性視神経萎縮では視力が出ないということで学校検診で指摘されることが多いです。 |
この病気にはどのような治療法がありますか? |
原因疾患によって治療法に違いがあります。視神経炎では炎症をおさえるために副腎皮質ステロイド剤を用いたり視神経の栄養のためにビタミンB12を用いることがあります。
循環障害では循環を改善させるような薬物や高気圧酸素療法が用いられることがあります。薬剤性のものでは薬剤の使用中止に加えてビタミンB12の内服を使用することがあります。外傷では視神経のまわりの骨折があれば手術により整復する場合があります。
遺伝性のものや先天性のものでは治療法はありません。またすでに視神経萎縮に陥ってしまった場合はそれに対する治療法はありません。 |
この病気はどういう経過をたどるのですか? |
おおむね原因疾患の経過に依存します。原因疾患の再発がなければ視神経萎縮になった段階でそれ以上の進行は停止します。
レーバー遺伝性視神経症では視力低下や視野障害が進行する場合が多いのですが、全く光りも感じない程度に失明することは通常ありません。 |
参考出典元:(財)難病医学研究財団/難病情報センター |