ベーチェット病の主な臨床症状は以下の4症状です。
●口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍:口唇、頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜に円形の境界鮮明な潰瘍ができます。これはほぼ必発します(98%)。また初発症状としても重要です。
●皮膚症状:下腿伸側や前腕に結節性紅斑様皮疹がみられます。また"にきび"に似た座瘡様皮疹が顔、頸、胸部などにできます。皮下に血栓性静脈炎がみられることもあります。皮膚の被刺激性が亢進するので、かみそりまけ"を起こしやすかったり、注射や採血で針を刺したあと、発赤、腫脹、小膿疱をつくったりします(針反応)。
●外陰部潰瘍:男性では陰のう、陰茎、亀頭に、女性では大小陰唇、膣粘膜に有痛性の潰瘍がみられます。
●眼症状:この病気でもっとも重要な症状です。ほとんど両眼が侵されます。前眼部病変として虹彩毛様体炎が起こり、羞明、瞳孔不整がみられます。後眼部病変として網膜絡膜炎を起こし、失明に至ることがあります。
主症状以外に以下の副症状があります。
●関節炎:膝、足首、手首、肘、肩などの大関節が侵されます。非対称性で、変形や強直を残さず、手指などの小関節が侵されない点で、慢性関節リウマチとは違います。
●血管病変:この病気で血管病変がみられたとき、血管型ベーチェットといいます。圧倒的に男性が多いといわれています。動脈、静脈ともに侵されますが、静脈系の閉塞がもっとも多く、部位では上大静脈、下大静脈、大腿静脈などに好発します。次いで動脈瘤がよくみられます。
●消化器病変:腸管潰瘍を起こしたとき腸管型ベーチェットといいます。やはり男性に多くみられます。腹痛、下痢、下血などの臨床症状を示します。部位は回盲部が圧倒的に多く、その他、上行結腸、横行結腸にもみられます。潰瘍は深く下掘れ、穿孔して緊急手術を必要とすることもあります。
●神経病変:神経症状が前面に出る病型を神経ベーチェットといいます。難治性で、もっとも予後不良です。これも男性に多いのが特徴です。ベーチェット病発症から神経症状発現まで年限がかかり、平均6.5年といわれています。片麻痺、髄膜刺激症状、小脳症状、錐体路症状など多彩です。精神症状をみることもあります。眼病変を欠くものに多いといわれています。
●副睾丸炎:男性患者の約1割弱にみられます。睾丸部の圧痛と腫脹を伴います。